2021年は、スポーツ基本法が制定されて10年目を迎えます。基本法ではスポーツを「身体を動かすという人間の本源的な欲求に応え、精神的充足をもたらすもの」ととらえ、従来の競技志向の身体活動だけでなく、スポーツの源泉とも言える気晴らしや遊び、楽しみや休養などの要素を取り入れて生活の質の向上を担う社会的・個人的活動と定義していると言えます。また、スポーツ基本法では、『する』『みる』『支える』というスポーツの多面的な関わりを認め、いろいろな立場・役割でスポーツに係わることを推奨しています。
スポーツの効用と必要性は、現代社会において広く認められていますがスポーツ活動を持続的に行うための時間、空間、仲間の「3間」が揃わないことによって運動・スポーツを行う機会が減少し、国や地方自治体が目指す生涯スポーツ社会・生涯健康社会をなかなか実現できないのです。
(「継続は力なり」と言われますが、一人でスポーツ活動を継続することは簡単ではありません。)地域スポーツクラブはこの「3間」を提供できる貴重な社会共同体のひとつです。運動・スポーツは個人的な活動ですが一人で継続することは簡単ではありません。地域スポーツクラブは、単に場所(空間)だけでなく、同好の仲間と連帯感やコミュニケーションの場・機会を提供できるのです。
当協会は1995年から国が取り組んでいる総合型地域スポーツクラブの理念のもと、生涯スポーツ社会・生涯健康社会の実現に向けて、全国各地の各種スポーツクラブ・健康クラブの育成・普及と国民の健康・体力づくりに資する指導者養成と情報提供の支援活動を積極的に展開します。
理事長 野川春夫
東京YMCA社会体育専門学校、鹿屋体育大学、順天堂大学にて教鞭をとり、生涯スポーツの研究に取り組み、生涯を通じたスポーツ実践のあり方、総合型地域スポーツクラブの振興・発展に尽力する。順天堂大学 特任教授拝命中