スポーツクラブは健康づくりの拠点である
受動喫煙を防止するための改正健康増進法が成立し、2020 年4月から全面施行されます。スポーツクラブは運動施設の範疇に入ると思われるので、屋内禁煙(喫煙専用室設置不可)の規制の対象となるでしょう。
さて、昨年4月にスポーツクラブの活動指針とも言える第2期スポーツ基本計画が策定されました。計画の骨子である4つの基本指針のうち、国民がスポーツで「人生が変わる!」では「スポーツで、心身の健康増進をはかり、人生を健康で生き生きとしたものにできる」、また「社会を変える!」では我が国の喫緊の課題である「持続可能な社会保障制度の確立」のため、生活習慣病の予防・改善を通して健康寿命を延伸し国民医療費の抑制が可能であるとしています。
日本人の死亡の原因の約6割を占めるがん、心臓病、脳卒中等が生活習慣病と呼ばれるようになって久しい。これら高率で死亡につながる可能性の高い3大生活習慣病を引き起こす3大生活悪習慣が「喫煙、高血圧、運動不足」です。特に第1位が喫煙であると東京大学の池田菜由らは指摘しています。
国が掲げる「健康長寿社会を実現」するための拠点として、地域スポーツクラブに大きな期待が寄せられています。
そのためには地域スポーツクラブの職員は指導者のみならず、率先して自らが国の推奨する「1に運動、2に食事、しっかり禁煙」の手本となるという気概が求められます。
(公財)健康体力づくり事業財団専務理事
(公財)日本スポーツクラブ協会 常務理事
増田和茂
(スポーツクラブライフ平成30 年秋号より転載)