地域スポーツクラブで魅力的なプログラムの一つとしての「貯筋運動プログラム」を考える

インタビュー

川西正志常務理事

 加齢による筋肉量の低下

一般的にヒトの筋肉量は加齢に伴って50 歳を超えると毎年1%から1.5% が減少すると言われています。特に、日常生活に必要な大腿部の筋肉量の減少は、動けない日本人になる危機的状況を想定することになります。超高齢社会を迎える2025 年以降には医療費の飛躍的増加が見込まれるため、そこでは如何に健康寿命の延伸に対して「運動による健康づくり」が機能するかが大きな課題です。

貯筋運動プロジェクトとは

 鹿屋体育大学の「*貯筋運動」研究プロジェクトは、簡単な運動プログラムの効果をスポーツ医科学、トレーニング科学、コーチング学、社会学、心理学、公衆衛生学など学際的研究見地から検証してきました。

 教室参加者へは立位の5 種目(椅子・もも・横上げ・背伸び、お腹)からなる各貯筋運動を毎日16 回ずつ1 セット以上行うことを推奨しています。約600 名の高齢者を対象とした3ケ月間の運動介入実験測定結果からは、地域差はあるものの、介入前後で筋肉量、力、生活フィットネス(椅子の座り立ち、歩行速度等)、認知機能、QOL 等に顕著な改善傾向が見られました。

 誰もが、いつでも、どこでも気軽に実施できるこの貯筋運動の顕著な改善効果が科学的に証明されました。

運動プログラムとしての貯筋運動の魅力

 3,500 クラブ以上設立されている総合型地域スポーツクラブでは、会員確保は重要な経営課題です。そのためには、如何に魅力ある活動プログラムを提供できるかを考えなければなりません。

 魅力あるプログラムとはプログラム自体に高いハードルがなく、科学的効果を見える化し、誰でもやってみたくなる活動の特性を持っていることが重要です。こうした観点から、指導者に高い専門的知識や、指導力が求められます。

 この貯筋運動に関した指導者育成は、(公財)健康・体力づくり事業財団や鹿屋体育大学が連携して講習会を実施してきています。今年(※2019年)の本協会主催のスポーツクラブマネジャー講習会でも、私から紹介させていただきました。高齢者が多くいるクラブで試行していただければと思います。
*貯筋運動は商標登録されています。

健康体力つくり事業財団 貯筋運動プロジェクトページ

北翔大学特任教授

日本スポーツクラブ協会常任理事 川西 正志

(スポーツクラブライフ平成30 年秋号より転載)

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